今日のことば
5/7 火曜日
丸い石も三角の石も
一人の人間でも二つの心がせめぎ合っていたのでは、なにごとも成就しません。日蓮聖人は「異体であっても同心であれば万事を成ずる」と教えられました。たとえば城の石垣も、四角の石だけでなく、丸い石も三角の石も、大きいのも小さいのもあってこそ、強固な石垣が築けます。
組織も同じで、粒ぞろいの人間が集まっていると一見、整然として強力そうですが、難局に直面して一人がこけると、将棋倒しになりかねない脆(もろ)さがあるのです。さまざまなタイプがそろっていると、お先真っ暗な中でも別の発想が生まれたり、ふだん目立たない人が、思いがけない力を発揮したりして、突破口が開けるものです。人は、性格も能力も千差万別です。その違いの組み合わせが、力の源泉です。
民族の違い、国の違いも同じでしょう。互いの違いを言い立てるのでなく、互いにその個性を尊重し合って心を一つにしてこそ、地球の環境が守られ、世界の平和が実現します。
法華経を行ずる私たちが、まず異体同心の姿を示し、その輪を大きく広げていこうではありませんか。
庭野日敬著『開祖随感』第8巻 278~279頁より